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早期大腸癌の画像診断~現況と将来展望
PET/CTによる大腸癌の診断
掲載誌
大腸癌FRONTIER
Vol.2 No.4 71-75,
2010
著者名
村上康二
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
一般外科
/
消化器内科
/
放射線科
/
消化器外科
媒体
大腸癌FRONTIER
『Summary』 大腸癌はFDGが良好に集積する腫瘍であり, PET検診では最も発見率の高い癌である. しかし空間分解能に劣るため早期診断には限界がある. 検出率は大きさと強く相関し, 大腸癌であれば2cm以上であれば100%発見できるが2cm以下だと17%という報告がある. また平坦型は隆起型に比べて描出率が劣る. 臨床的にPET/CTは局所診断というよりも, 転移診断, 再発診断への有用性が高く, 特に予期せぬ部位への転移や再発診断においては, ほかの画像診断に比べて優れている. 造影PET/CTではさらに血管の解剖学的情報が加わり, 有用性が高まる. PET/CTにCT angiographyや仮想内視鏡などの3次元画像を組み合わせると新たな「術前マッピング」として有用な画像情報を得ることができる. 『はじめに』 FDG-PET検査は近年最も急速に普及した画像診断である. 検査法自体は1976年に本邦にはじめて導入されており, 決して最新とはいえないものの, 当初は専ら脳や心臓の研究に使用されるのみであった.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。