<< 一覧に戻る

治療とケア―症例から考える―

OSA(閉塞性睡眠時無呼吸)を伴うてんかんの1例

重藤寛史

Epilepsy Vol.14 No.1, 23-26, 2020

年齢,性別
59歳,女性.
既往歴
2~3歳頃に高所から転落して頭部打撲したが,骨折や脳挫傷はなかった.
家族歴
熱性けいれんなし.
内服薬
・カルバマゼピン 500mg 分3毎食後(200/200/100)
・クロバザム 20mg 分2朝・夕食後
現病歴
22歳時,口部自動症を伴う意識消失発作を初発.脳波所見から側頭葉てんかんの診断で加療開始.50歳頃から発作が月4回と増加したため,当院入院歴あり.内服薬の調整で発作頻度は減少したものの,月1回ほどの意識減損発作を自覚していた.59歳時,息子夫婦と同居を始めて,初めていびきを指摘され,睡眠時無呼吸症候群を疑われ検査を行った.
抗てんかん薬の使用歴
・フェニトイン;最大300mg
・クロバザム;最大30mg
・レベチラセタム;最大2,000mg
一般全身所見
身長 155.7cm,体重 55.4kg,BMI 22.9.
神経学的所見
右利き.
HDS-R 29/30,MMSE 30/30.
WAIS-Ⅲ 言語性IQ 102,動作性IQ 99,全IQ 101.
WMS-R言語性記憶 81,視覚性記憶 95,一般的記憶 84,注意/集中力100,遅延再生 77.
失調,不随意運動,筋トーヌスの異常などなく正常.
血計・生化学所見
特記すべき異常なし.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る