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治療とケア―症例から考える―

異常行動を示し,レビー小体型認知症が疑われた非けいれん性てんかん重積の73歳男性

柏原健一

Epilepsy Vol.12 No.1, 24-26, 2018

年齢,性別:症例は73歳男性である.

既往歴,家族歴:60歳頃からうつ病に罹患.過去6回の入院を含め,他院精神科で加療されていた.ほかに特記すべき既往歴,家族歴はない.
来院5カ月前から歩行障害,4カ月前から構音障害,3カ月前から運動緩慢を生じ,主治医よりパーキンソン病の合併が疑われていた.

来院前所見:来院日の朝からぼんやりして失禁し,食事を摂ろうとせず,無目的に靴を履いたり脱いだりする異常行動がみられた.このため主治医を受診.見当識障害と運動障害からレビー小体型認知症 (dementia with Lewy bodies;DLB) が疑われ,診断目的で同日当院に紹介となった.うつ病に対してトラゾドン1日50mg が投与されていた.

来院時所見・検査:来院時の診察では見当識,記銘力障害のほか,軽度の運動緩慢,筋強剛,小刻み歩行,前傾姿勢がみられ,ヤールⅡ度相当のパーキンソニズムと考えられた.腱反射,感覚には異常なく,頻尿,嗅覚障害が訴えられた.振戦,便秘,起立性低血圧はなかった.診察後の検査中に混乱状態となり,意識障害と考えられた.この時点での認知機能テストであるが,mini-mental state examination (MMSE),frontal assessment battery (FAB) はいずれも評価不能であった.血液,生化学検査には特記すべき異常はみられなかった.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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