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診断と治療(Epilepsy)

抗てんかん薬療法の問題点:わかりにくい副作用

山本吉章

Epilepsy Vol.12 No.1, 19-22, 2018

抗てんかん薬の一般的な副作用として眠気,めまい,ふらつき,頭痛,失調,複視などが挙げられる.通常,これらの副作用は投与初期や薬剤を増量する際に生じることが多いため,因果関係を容易に特定することが可能である.また,特異的な副作用として芳香環を有する抗てんかん薬であるカルバマゼピン,フェニトイン,フェノバルビタール,ゾニサミド,ラモトリギンは投与初期に薬疹を生じる場合があり,まれにスティーブンス・ジョンソン症候群,薬剤性過敏性症候群,中毒性表皮壊死症などの重症薬疹を引き起こすことがある.また,骨髄抑制,汎血球減少,肝障害などアレルギーが関与する副作用も投与初期に発生することが多い.これらの副作用は,重篤で予測困難であるが,被疑薬は特定されやすい.一般的に抗てんかん薬の薬物療法は治療期間が長期にわたるため,広い視点で副作用を理解する必要がある.長期服用による副作用としては,バルプロ酸やガバペンチンによる体重増加,フェニトインによる歯肉増殖,小脳萎縮,多毛,ゾニサミドやトピラマートによる尿路結石などが挙げられる.
薬剤抵抗性の難治てんかんの場合,抗てんかん薬の多剤併用が必要となることが多いため,副作用が生じても原因薬剤を特定することは困難である.また,精神遅滞や精神障害を合併した患者に何らかの精神症状を認めても,合併症に起因する症状か抗てんかん薬の副作用なのか判別が難しい.本稿では,てんかんの薬物治療を行ううえで,被疑薬を特定しにくい副作用について解説する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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