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座談会(Round Table Discussion)

2 わが国の脂質管理のこれからの課題―ACC/AHA 脂質管理ガイドラインを入口として考える―

池脇克則吉田雅幸森下竜一荒井秀典寺内康夫山下静也倉林正彦

Cardio-Lipidology Vol.9 No.1, 33-41, 2015

「ガイドラインに採用すべき重要なエビデンスはRCTだけなのか」
池脇:2013年11月、American College of Cardiology(ACC)/American Heart Association(AHA)は、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)リスク低下を主な目的に、脂質管理ガイドラインを発表しましたが1)、当初よりその妥当性についてさまざまな議論がなされています。本ガイドラインは、質の高いランダム化比較試験(RCT)に主に基づき作成されており、ASCVD予防に有効な薬剤として、高強度あるいは中強度スタチンのみを推奨しています。この判断についてどのように思われますか。
吉田:このガイドラインはRCTとメタ解析の論文のみを参照にして作成されていますので、確かにエビデンスレベルは高いのですが、これは明らかに実臨床とかけ離れています。治療による波及効果は考慮されておらず、全体的な健康の増進に役立つかどうかという観点がほとんど省かれています。リスクよりも安全策をとったように見受けられ、ある意味、非常に消極的な印象も受けます。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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