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座談会(Round Table Discussion)

1 改めて考えるトリグリセライドと動脈硬化の関係

森下竜一平野勉吉田雅幸山下静也室原豊明寺内康夫倉林正彦

Cardio-Lipidology Vol.9 No.1, 17-25, 2015

「TGが上昇すると、なぜsmall dense LDLが増加するのか」
森下:本日は、高トリグリセライド(TG)血症による動脈硬化惹起性について議論していきたいと思います。まず確認したいのですが、TGには血管に対する直接的作用はないととらえてよいのでしょうか。
平野:動脈硬化が進展するには、血管内に侵入したコレステロールをマクロファージが貪食した後、炎症が引き起こされることが重要なプロセスとなっています。したがって、高TG血症はあるものの、コレステロール値が著しく低く、また、動脈硬化惹起性リポ蛋白であるレムナントも少ないような方では、マクロファージの泡沫化はなかなか起こらず、動脈硬化は進展しないのではないでしょうか。
吉田:マクロファージの細胞表面にはアポリポ蛋白B(アポB)48受容体が発現しているという報告があり、マクロファージがアポB48を含有するTG rich リポ蛋白を貪食する可能性はあると思います。これがどの程度、動脈硬化の促進に寄与するかはわかりませんが、TG rich リポ蛋白が長期にわたり著明に上昇するような高レムナント血症の方では、TGが動脈硬化進展に直接的に関わっている可能性があるかもしれません。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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