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ドライアイリサーチアワード受賞論文解説

冷蔵保存後の多血小板血漿点眼における角膜創傷治癒に対する生物学的効果

奥村雄一

Frontiers in Dry Eye Vol.19 No.2, 35-37, 2024

冷蔵保存後の多血小板血漿(PRP)点眼における無菌性と角結膜上皮障害に対する創傷治癒促進効果を明らかにした。
重症ドライアイをはじめ,移植片対宿主病,角膜移植,シェーグレン症候群などによって生じる難治性角結膜上皮障害は,視力低下,角膜の易感染性,角膜穿孔などの原因となる1)-5)。この難治性角結膜上皮障害は主に点眼で治療されるが,既存の点眼治療が奏効しない患者が多く存在する。そのため,難治性角結膜上皮障害に対する新たな点眼薬が求められている。
PRPは,血小板を多く含んだ血漿であり,患者の自己血から作製される。成長因子などの生理活性物質を多く含有するため,歯科口腔外科や整形外科などの領域で治療に用いられてきた6)-9)。現在,眼科領域においてもPRP点眼が角結膜上皮障害に対する新たな治療法として注目されている10)11)
「KEY WORDS」ドライアイ,難治性角結膜上皮障害,多血小板血漿(PRP)点眼,角膜創傷治癒

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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