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ドライアイと関連疾患

涙道手術後のドライアイ

鎌尾知行

Frontiers in Dry Eye Vol.13 No.2, 49-51, 2018

眼表面の涙液量は,涙腺からの分泌量と涙道からの排出量のバランスで規定されており,このバランスが崩れると疾患を発症する。つまり,分泌量が相対的に減少すればドライアイに,逆に排出量が減少すれば流涙症になる。眼表面の涙液量の観点から流涙症とドライアイは対極の位置に存在すると考えられるが,その間には連続性があり,生体では流涙症またはドライアイにならないように眼表面の恒常性維持機構により中央に戻ろうとする力が働く。しかし,このバランスが崩れていずれかの方向に傾くと流涙症またはドライアイを発症する。さらに両疾患とも治療により対極の状態になることがある。つまり,ドライアイの治療により流涙症を発症するということである。代表的な例としてはドライアイに対する涙点プラグであり,上下涙点とも閉鎖すると流涙症を生じることはしばしば経験する。逆もまたしかりで,流涙症の治療によりドライアイを発症することも当然ながらある。
流涙症の代表的疾患は涙道閉塞症である。我々は涙道閉塞症127側に対し,涙道内視鏡下涙管チューブ挿入術を施行し,チューブ抜去後6ヵ月で検査を施行したところ,15側(11.8%)がドライアイと診断された(2006年診断基準)。涙管チューブ挿入術後早期からドライアイの所見が観察されたことより,涙道手術後のドライアイは新たに発症したのではなく,潜在的に存在していたものが術後に顕在化したと考えられる。
「KEY WORDS」ドライアイ,流涙症,涙道閉塞症,涙道手術

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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