日本消化器病学会の胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease:GERD)診療ガイドライン2015(改訂第2版)1)では,GERD治療の第一選択薬はプロトンポンプ阻害薬(PPI)であることが記載されている。しかし,その症状消失率はびらん性GERD群では57~80%,非びらん性胃食道逆流症(nonerosive reflux disease:NERD)群では50%程度と報告2)3)されており,必ずしも満足のいくものではない。新規の酸分泌抑制薬であるカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(potassium-competitive acid blocker:P-CAB)などによる,さらに強力な酸分泌抑制療法が有効な場合もあるが,薬物療法では食道裂孔ヘルニアや下部食道括約筋などの解剖学的問題を改善したり,非酸性の逆流などを防ぐことはそもそもできない。そのため,薬物療法以外のさまざまな治療法が検討されてきた。本稿では最新のGERDに対する非薬物療法について概説する。
TOPICS OF GI 消化器疾患のトピックス
第32回 胃食道逆流症の最近の話題
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.16 No.2 91-97,
2021
著者名
春日井邦夫
記事体裁
連載
/
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
媒体
THE GI FOREFRONT
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。