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CLINICAL CONFERENCE 症例から学ぶ上部消化器疾患

NHPH胃炎の1例

間部克裕春間賢井上和彦市場信義久本信廣

THE GI FOREFRONT Vol.16 No.1, 5-9, 2020

Helicobacter pyloriH.pylori)が胃炎,消化性潰瘍,胃がんなどさまざまな疾患の原因であることが明らかにされ,わが国における胃炎のほとんどはH.pylori感染胃炎である。H.pylori感染の有無により,起こる疾患とそのリスクが大きく異なるため,内視鏡診断が可能な「胃炎の京都分類」が広く普及している。
一方,近年H.pylori感染率の低下や除菌後症例の増加により,自己免疫性胃炎や薬剤性胃炎などH.pylori以外が原因の胃炎も注目されている。その1つとして,Non-Helicobacter pylori-Helicobacter(NHPH)胃炎がある。NHPH胃炎は消化性潰瘍や胃mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)リンパ腫の原因になることが報告されているが,その病態,内視鏡像や検査方法はいまだ確立されていない。内視鏡的に鳥肌胃炎を示すことが報告されていたが,筆者は体部にregular arrangement of collecting venules(RAC)が存在し,一見H.pylori未感染にみえる胃の前庭部近傍の腺境界領域にまだらな模様,霜降り所見を認めることがNHPH胃炎の特徴であることを発見した1)
今回,筆者は健診機関に異動し,H.pylori未感染者の多い被検者の中に,典型的な霜降り所見を呈する症例が少なからず存在し,NHPH胃炎と診断できたので報告する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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