わが国での胃がん撲滅のために,最も効率的な方策は,Helicobacter pyloriH. pylori)を除菌することである。多くの臨床試験で,除菌による胃がん予防のエビデンスが明確化されたが,一方で,萎縮性胃炎や腸上皮化生などの前がん性変化が生じている場合には,除菌だけでは完全に胃がんを予防できないことも明らかになった。このため,できるだけ若いときに除菌することが望ましく,次世代への感染を防ぐ意味からは,子供を授かる前にH. pylori検査,除菌を行うことを提案したい。