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特集1 H. pylori除菌後の諸問題

4 食道腺癌の発生を考慮する必要はあるのか?

三輪洋人渡二郎

THE GI FOREFRONT Vol.11 No.2, 29-32, 2015

欧米からの報告では,H. pylori除菌後にGERDを発症することはほとんどないが,日本人ではH. pylori除菌により胃酸分泌能が回復するため,逆流性食道炎のリスクが上昇する可能性は否定できない。しかし,一般的には逆流性食道炎からBarrett食道へと移行することはほとんどないと考えられており,除菌後に逆流性食道炎のリスクが上がったからといってBarrett食道の頻度が高くなるとは考えにくい。さらにわが国ではBarrett食道や食道腺癌の頻度自体が低いため,除菌により食道腺癌(Barrett食道癌)の発生を考慮する必要はないであろう。
「1 ピロリ除菌と逆流性食道炎」これまで除菌治療とGERD発症に関する報告は数多くあり,特に欧米から除菌群と非除菌群に分けたランダム化無作為試験やコホート研究をまとめたメタ解析が散見される1)-3)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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