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TOPICS OF GI 消化器疾患のトピックス

第18回 脂肪吸収と消化管ホルモン

坂田資尚

THE GI FOREFRONT Vol.9 No.2, 74-77, 2014

「要旨」食事摂取に従って腸管内分泌細胞からインスリン分泌増強消化管ホルモン, インクレチンが分泌される. 腸間膜リンパ瘻ラットは, 脂肪の吸収に関する研究だけでなく, インクレチンの分泌機構の解析にも有用である. この動物モデルを用いた実験で, 脂肪および炭水化物の投与によりglucagon-like peptide-1 (GLP-1)とglucose-dependent insulinotropic polypeptide (GIP)が, 腸管リンパ中に分泌されることが明らかになった. しかし, 脂肪と炭水化物に対する反応性はK細胞とL細胞で異なっていた. リンパ瘻モデルによりインクレチン研究のさらなる進展が期待される. 「1 はじめに」消化管は, 体内で最大の内分泌器官である. セクレチンが発見されて以来, 多くの消化管ホルモンが同定され, 肥満, 2型糖尿病, その他の代謝性疾患の制御にそれらのホルモンが関与していることが明らかになってきた.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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