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GI-Metabolism Forum

第3回GI-Metabolism Forum 第一部 演題3 AutophagocytosisからみたHelicobactor heilmannii+loxoprofen小腸傷害および胃MALTリンパ腫形成

中村正彦

THE GI FOREFRONT Vol.8 No.2, 83-84, 2012

「小腸傷害とautophagy」 近年, 小腸内視鏡などの進歩により, NSAIDsによる小腸病変が注目されている. われわれは, その形成が活発に認められるIL10ノックアウト(IL10KO)マウスを用いて, NSAIDsによる小腸病変について検討している. Helicobactor heilmannii(H.heilmannii)を経口感染させたIL10KOマウスの小腸粘膜内腔にはH.heilmanniiが存在し, 一部上皮にも付着している. 同時にロキソプロフェンを投与すると小腸粘膜傷害が生じる. その際, 上皮細胞が粘膜固有層から離れるsubepithelial blebの形成, および上皮細胞が基底膜などの膜から離れるdetachmentによるapoptosis, いわゆるanoikisが起こるのではないかといわれている. 電子顕微鏡でautophagic vacuole形成が認められることから, われわれはanoikisよりもautophagyの関与もあるのではないかと考えている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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