【特集 わが国のGERDにおける諸問題】
わが国のGERDとバレット食道の関わり
掲載誌
THE GI FOREFRONT
Vol.8 No.1 36-39,
2012
著者名
渡二郎
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富田 寿彦
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大島忠之
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福井広一
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堀和敏
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三輪 洋人
記事体裁
抄録
疾患領域
その他
診療科目
その他
媒体
THE GI FOREFRONT
GERDとバレット食道の発症には酸と胆汁酸が強く関与している. 疫学的にみると, わが国でのGERD患者は確実に増加しているものの, バレット食道の増加はGERDの増加に比例していない. GERDの発症には機能的異常が強く関与し, バレット食道はその結果生じた器質的異常であることにその原因があるのかもしれない. 両者の関わりにはいまだ不明な点が多く, そのメカニズムの解明には, 今後, 多数例の経過観察による臨床研究と基礎研究が必要である. 「はじめに」酸や胆汁酸の食道内への逆流が強く関与する胃食道逆流症(GERD)とバレット食道に関する論文を紐解くと, 欧米からのものが多くを占める1)-3). バレット食道はGERD患者のおよそ13%にみられ2), GERDのない患者に比べてその発生のオッズ比は2.87(95%CI, 1.84~4.45)とされる3). また, Helicobacter pylori(H.pylori)感染者では酸分泌能が低下していることから, バレット食道の発生が少ないことも報告されている4)-6).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。