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CURRENT TOPICS 消化器癌のサーベイランス

胆道,胆嚢

羽場真山雄健次水野伸匡原和生肱岡範今岡大永塩美邦小倉健長谷川俊之大林友彦品川秋秀丹羽康正田近正洋近藤真也田中努清水泰博

THE GI FOREFRONT Vol.7 No.1, 31-33, 2011

胆嚢癌,胆管癌(以下,胆道癌)の予後はいまだ不良である。早期診断が予後改善のためには不可欠であり,膵・胆管合流異常や原発性硬化性胆管炎などのハイリスクグループの絞り込みと,効率的かつ適切な検査が胆道癌の早期診断のためには不可欠となる。術前サーベイランスとしては,高度な専門性を要する精密検査が必要であり,外科と内科の連携はもちろん,健診施設と専門施設の連携も重要である。

はじめに

 胆管癌・胆嚢癌(以下,胆道癌)の多くは,発見された時点ですでに進行した状態であることが多い。切除不能の進行例に対しては化学療法が選択されるが,有効とされる治療薬は限られており,いまだ予後不良である。このため,胆道癌の予後改善のためには,できるだけ早期に発見し適切に診断して根治術につなげることが必要となる。本稿では,胆道癌のハイリスクグループの特徴とその診断・治療法について解説し,効率的なサーベイランス法について臨床的立場から述べる。

1 リスクファクターと前癌病変

1.膵・胆管合流異常

 膵・胆管合流異常症(以下,合流異常)は,十二指腸壁外で合流する先天奇形である1)。合流異常では,共通管を介して膵液が胆道内へと逆流することで胆道粘膜の荒廃をきたし,高率に胆道に発癌をきたす。 わが国における統計によると,成人の胆管拡張型合流異常において,胆道癌の合併を 21%に認め,うち胆嚢癌が14%,胆管癌が7%であった2)。一方,本田らは胆管非拡張型合流異常において,胆道癌の合併を67%に認め,全例が胆嚢癌であったと報告している3)。このように合流異常においては胆嚢での発癌リスクが最も高く,胆管拡張型合流異常では胆嚢だけでなく拡張胆管での発癌リスクも高い4)。
 合流異常の診断に際しては,腹部超音波検査(ultrasonography:US)による胆嚢壁肥厚,胆管拡張により合流異常を疑うことが多い。 合流異常の確定診断としては,内視鏡的逆行性膵胆管造影検査(Endoscopic retrograde cholangeopancreatocraphy:ERCP)による膵管・胆管造影がgolden standardであり,oddi括約筋作用が合流部に及ばないことを確認する。一方,超音波内視鏡検査(Endoscopic ultrasonography :EUS)は合流部近傍を詳細に観察でき,十二指腸壁外に膵胆管合流部を描出することで合流異常の診断を得ることが可能である(図1)。

ERCPに伴う偶発症のリスクがないことから,合流異常が疑われた際にはまず施行すべき検査といえる。

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