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特集 Young at HEART ~若々しい心臓であり続けるために~

大動脈弁狭窄症の発症メカニズムから進行予防のターゲットへ

石田隆史

アンチ・エイジング医学 Vol.17 No.3, 16-20, 2021

先進国においては大動脈弁狭窄症(AS)は,ほとんど加齢に伴う大動脈弁のカルシウム変性による。かつて多くを占めていたリウマチ性ASは,幼少期におけるリウマチ熱の適切な治療により激減した。したがってわが国では,ASは典型的な加齢関連疾患といえる。60歳以上の高齢者においてASの有病率は2%以上であり,重症ASに限ると70歳未満において1%未満である一方,80歳以上では約7%に認められるとされている。心不全,失神,胸痛などの症状が出現するとASの予後は急速に悪化し,2年死亡率は約50%である。ASは大動脈弁の硬化・肥厚により左室から大動脈への血流障害を伴う病態に対して用いられるが,実際には石灰化はその前から徐々に進行している。血流障害を伴わない軽症の石灰化病変も含む病態を,近年ではcalcific aortic valve disease(CAVD)と称する。本稿では,このCAVDの発症・進展のメカニズムを中心に概説する。
「KEY WORDS」大動脈弁,石灰化,内皮機能障害,慢性炎症

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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