100歳まで生きるための本100選
第79選 『101歳現役医師の死なない生活』
アンチ・エイジング医学 Vol.16 No.3, 144-146, 2020
令和元年度内閣府の「高齢社会白書」によるとわが国の総人口は,平成30年(2018年)10月1日現在1億2,644万人でした。そのうち,65歳以上の高齢者人口は3,558万人となり,総人口に占める割合「高齢化率」は28.1%でした。男女別にみると,男性は1,546万人,女性は2,012万人で,性比(女性人口100人に対する男性人口)は76.8と女性が多くなっていました。「65〜74歳人口」が総人口に占める割合は13.9%(性比91.3),「75歳以上人口」が総人口に占める割合は14.2%(性比64.6)であり,「65〜74歳人口」を初めて上回りました。
「高齢社会」は高齢者14%以上と世界保健機関(WHO)で規定されており,日本は高齢者が28%を超える「超高齢化社会」に入っています。平成30年厚生労働省発表の平均寿命は,男性81.25歳,女性87.32歳と男女ともに過去最高となりました。平成2年の平均寿命は男性76.04歳,女性82.07歳ですので,平成の30年間に日本人の平均寿命は男性5.21年,女性5.25年延びました。1日にすると約4.2時間ずつ寿命が延びたことになるのです。平成30年の100歳以上人口は6.9万人(男性0.9万人,女性6万人)でした。平均寿命が90歳を超え,100歳を超える人口が大幅に増える日もそう遠くないでしょう。
一方,日本の死亡原因の1位は「癌(27.9%)」,2位が「心疾患(15.3%)」,3位が「脳血管疾患(8.2%)」です。心疾患と脳血管疾患を合わせると癌とほぼ同等で,毎年,多くの方が癌や心血管疾患で亡くなっています。また,健康寿命(日常生活に制限のない期間)は,平均寿命から男性9.13年,女性12.68年ほど短く,女性は男性より不健康な期間が長いことがわかっています。男女ともに寝たきりにならず,Quality of Life(QOL)の高い人生を送るには,認知機能や足腰の衰えを予防することに加え,癌や心血管疾患の予防と早期発見,早期治療がとても大切なことは言うまでもありません。
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。