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特別企画 特集 緊急“新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策”

ビタミンDとCOVID-19

満尾正

アンチ・エイジング医学 Vol.16 No.3, 44-49, 2020

ビタミンDは,カルシウム・リン酸代謝に欠かせない脂溶性ビタミンであり,副甲状腺ホルモンの分泌抑制など内分泌系にも影響を与える重要な働きをもつ栄養素である。近年では,動脈硬化性血管疾患,糖尿病の予防効果,認知症予防効果,アスリートのパフォーマンス向上など,さまざまな疾患や健康状態とビタミンDとの関係が報告されている1)。なかでも注目すべき働きとしてビタミンDによる免疫調整作用がある。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)では,サイトカインストームからARDSを合併し致死的な経過をたどることが報告されている2)。一方,ビタミンD濃度が低いほどCOVID-19が重症化しやすく,死亡率が高くなる可能性も指摘されている3)。これらの現象からビタミンDのもつ免疫調整作用が,COVID-19で生じるサイトカインストームに対して何らかの抑制的な働きをしていることが推測される。
「KEY WORDS」ビタミンD,25(OH)D,COVID-19,新型コロナウイルス感染症,免疫機能,サイトカインストーム

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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