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特集 メタボローム解析とアンチエイジング

脂質の質と生活習慣病

山本恒久

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.5, 31-35, 2019

飽食と運動不足の現代社会において,内臓脂肪蓄積型の肥満が増加している。非脂肪組織に蓄積した脂肪(異所性脂肪)は,脂肪毒性(リポトキシシティ)と呼ばれる臓器機能障害を起こすことが知られている。脂肪酸は脂質を作っている成分であり,化学的構造から二重結合の数により大きく3つに分類される。二重結合をもたない飽和脂肪酸,二重結合が1つの一価不飽和脂肪酸,二重結合を2つ以上含む多価不飽和脂肪酸へと分類され,さらに多価不飽和脂肪酸は二重結合の位置によってn-6系とn-3系多価不飽和脂肪酸へと分かれる(図1)。また,水素の位置によりシス型,トランス型という分類もされる。ラードなどの油脂に代表される飽和脂肪酸の融点は体温よりも高く,常温で固体であり,常温で液体である不飽和脂肪酸とは物性が大きく異なり,身体への影響も異なることが予想される。本稿では,大規模コホート研究結果と筆者らの研究グループがマウスの基礎研究から得た知見とともに,飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の摂取が心血管障害に与える影響について考えていきたい。
「KEY WORDS」飽和脂肪酸,不飽和脂肪酸,拡張機能障害,Sirt1,SCD1

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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