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巻頭言

Janet R. Sparrow

坪田一男

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.3, 4-9, 2019

ジャネット・スパロウ先生は,網膜の光エイジングの世界的大家である。昨年の夏,「ブルーライトが失明原因になりうるのか」という報道が世界的に加熱した。非科学的な情報がネットに散見されたのを受け,米国眼科学会(AAO)が「携帯電話のブルーライトで失明することはない」との声明を発表した。これを受けて,ブルーライトは無害であるかのような,さらに非科学的な報道が日本でも起きたのだが,声明を原文で読むと,ブルーライトが睡眠(体内時計)に与える影響や,液晶画面を見続けることによる目の乾きや疲れは,学術的に証明されており,これを否定するものではない,との解説がある内容であった。このAAOの声明を監修したのがスパロウ先生である。
ご存知のように皮膚は光老化をする。網膜も同様に光が当たり,これによって老化が促進されるが,そのメカニズムは不明であった。最近になり,リポフシンという物質が網膜に溜まり,それがブルーライトと反応することによって活性酸素種が生じ,さまざまな障害を引き起こすことがわかってきた。ブルーライトで失明すると米国で騒がれたのはそのためである。今回,ブルーライトでは簡単には失明しないことも含めて,インタビューを行った。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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