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誌上ディベート

食事中のAGEsは有害?無害?

山岸昌一永井竜児白河潤一大野礼一須川日加里木下奨佐藤ひかり勝田奈那砂掛詩織永井美芽

アンチ・エイジング医学 Vol.15 No.1, 71-82, 2019

終末糖化産物(AGEs)に関するディベートである。生体におけるAGEsの生成と蓄積は極めて複雑であり,常に一定レベルで生理的に生成し,老化に伴い組織での蓄積量は増加するとされている。臨床においては糖尿病のコントロール指標であるHbA1cがAGEsの一つとして有名であるが,AGEsの由来となるタンパク質はさまざまなものが生体にはあり,さらに中間反応生成物も含め,多彩な活性中間体の存在が知られている。生体にはAGEsに対する受容体RAGEも発見され,細胞シグナルに関与することも明らかとなりつつある。山岸氏が指摘するように,血中などで計測されるAGEsはさまざまな臓器不全,合併症のリスク因子となるようであり,抗加齢医学研究における重要なバイオマーカーの一つとして認識されつつある。重要ポイントは,この生体AGEsが食品中のAGEsに由来するかどうかであるが,永井氏の指摘のようにそのエビデンスは少ないと考えられる。主な食材と含まれるAGEs量に関するデータベースも公表されているが,そういった食材を食した後の,生体内動態については今後の研究が必要である。今回の誌上ディベートを読むと多くの情報を入手でき,本学会員には必読の内容になっている。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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