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特集 体内時計とアンチエイジングupdate

交感神経による免疫応答の日内制御

鈴木一博

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.4, 39-44, 2018

交感神経は,副交感神経とともに自律神経系を構成し,臓器の機能を協調させることによって生体の恒常性の維持に寄与している。解剖学的には,交感神経は脊髄(胸髄および腰髄)から神経節に達する節前線維と,その終末と神経節でシナプスを形成して標的臓器に投射する節後線維から構成される。原則的に,交感神経の節後線維の終末からはノルアドレナリンが放出され,α₁,α₂,β₁,β₂,β₃という5種類のGタンパク質共役型受容体を介して細胞に作用する。交感神経の活動性には概日リズムが認められ,一般的に,1日のうちで身体の活動性が高まる時間帯に上昇するという特徴がある1)。たとえば,ヒトのように昼間に身体の活動性が高まる動物種では昼間に,マウスのように夜間に身体の活動性が高まる動物種では夜間に,交感神経の活動性がピークに達する。この交感神経活動の概日リズムが,心拍数や血圧といった循環器系のパラメーターに反映されることは広く知られているが,免疫系のさまざまな側面もまた,交感神経活動の概日リズムに多大な影響を受けていることが近年明らかになった2)。特に,免疫細胞の体内動態は,交感神経の活動性に応じて顕著な日内変動を示し,それが免疫応答の強度にも反映されることが示されている。そこで本稿では,交感神経による免疫細胞の動態制御という観点から,免疫応答の日内制御のメカニズムを解説するとともに,その加齢変化について考察する。
「KEY WORDS」交感神経,免疫応答,日内変動,免疫細胞動態,加齢

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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