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特集 腸とアンチエイジング

大腸老化,炎症,癌と腸内細菌

内藤裕二

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.1, 51-58, 2018

大腸管腔には,100兆個を超える細菌を中心にした微生物叢が棲みついている。多種多様な細菌種により構成される腸内細菌叢の構成異常はDysbiosisと呼ばれ,多種多様な疾患,健康状態に関わっている。腸の老化(大腸老化)を考えた場合,腸管粘膜上皮細胞や免疫細胞の老化において,このDysbiosisの影響は極めて大きい。成人の腸内細菌叢は安定しており,各個人に特有のパターンとなっている。環境因子,食事などで変動はあるものの,門レベルでは安定している。中高年を過ぎる頃から少しずつビフィズス菌が減少し,ウエルシュ菌の増加に特徴づけられる変化が起きている。このような変化は腸内細菌叢の老化現象として考えられてきたが,最近の腸内細菌叢の遺伝子解析(メタゲノム解析)の結果,新たな知見も得られつつある。本稿では,消化管疾患を中心に,機能性腸管障害,炎症性腸疾患,大腸癌と腸内環境,微生物叢との関わりをレビューした。
「KEY WORDS」便秘症,過敏性腸症候群,炎症性腸疾患,大腸癌,腸内細菌叢

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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