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特集 腸とアンチエイジング

肥満・メタボリックシンドロームと腸内環境

楠本幸恵入江潤一郎

アンチ・エイジング医学 Vol.14 No.1, 36-44, 2018

糖尿病や高血圧症,脂質異常症は,心血管病の危険因子であることはよく知られていたが,これらの疾患は独立したものではなく,生活習慣の変容から内臓脂肪の蓄積が生じ,その結果,一個人に複数が生じてくるものであることがメタボリックシンドロームとして知られている。さらに,これらの疾病の発症には時間軸が存在し,最終的に心筋梗塞,脳梗塞,足壊疽に代表される血管病に至ることから,複数の誘因が次々と複数の疾病を引き起こす “メタボリック・ドミノ” として世界に知られる概念となっている。このメタボリック・ドミノの時間軸は時間,すなわち加齢であり,過栄養は加齢を促進し,カロリー制限がSirtuinの活性化などを介して,さまざまな臓器の老化を遅らせ,糖尿病や肥満症の発症を抑制する知見と対をなす,メタボ・エイジングと理解される。
エイジングを加速する肥満・メタボリックシンドロームには,現在有効な治療法が存在せず,世界の疾病構造の根幹をなす。その肥満・メタボリックシンドロームの病態に,腸内細菌が大きく関与していることが明らかとなり,治療標的として注目を集めている1)。本稿では,肥満・メタボリックシンドロームにおける腸内細菌の意義について述べる。
「KEY WORDS」腸内細菌叢,Dysbiosis,メタボリックシンドローム,胆汁酸,短鎖脂肪酸

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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