エイジングサイエンス
第53回 老化細胞を標的としたアポトーシス誘導は化学療法や加齢による組織恒常性の異常を回復する
アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.6, 90-93, 2017
細胞のDNA 損傷が修復されなかった場合,細胞機能を損ない,疾患を助長し,加齢を加速させる。多くの場合,老化細胞は細胞周期から逸脱し,senescence-associated secretory phenotype(SASP)と呼ばれる永続的な炎症促進性形質を獲得する。そして,慢性的なSASPにより,加齢や加齢関連疾患が加速すると考えられている。個体老化は老化組織の蓄積と関連づけられており,逆に老化細胞を除去することで加齢を遅らせることができるかもしれない。著者らは,老化細胞がどのようにアポトーシスを回避するかという問題に取り組むと同時に,加齢による組織恒常性の喪失を,老化細胞の除去により緩和できるかを検討した。
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