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特集 漢方とアンチエイジング

腎虚と補腎剤

山本亜沙子中田英之萩原圭祐

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.6, 40-45, 2017

フレイルとは,2014年に日本老年医学会より提唱された用語で,介護前段階を示す。加齢に伴って,健康障害に対する脆弱性が亢進して,日常生活機能障害を引き起こしやすい状態と考えられている1)。その概念は,当初筋力低下などの身体機能の脆弱性が中心であったが,その後,うつや認知症などの精神的側面や,独居や閉じこもりなどの社会的側面も含まれるようになった。炎症性サイトカインであるインターロイキン(interleukin:IL)-6レベルの上昇と,フレイルとの間に優位な相関が示されている報告もあり2),慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease:COPD)や糖尿病などもフレイルの形成に関与することが知られている。しかし,厚生労働省研究班の報告では,「フレイルは,適切な介入・支援により,生活機能の維持向上が可能な状態像」と考えられている3)
「KEY WORDS」サルコペニア,腎虚,牛車腎気丸,老化促進マウス

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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