特集 漢方とアンチエイジング
女性医療の老化に対する漢方治療
アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.6, 32-35, 2017
女性診療を行う上での男性との一番の違いは,一生のなかで月経,妊娠,分娩,更年期,閉経といった,劇的な内分泌環境の変化を認める点である。そのため,男性と比較して女性は心身の不調をきたすことが多いとされている。特に,更年期以降の中高年においては,さまざまな不定愁訴からなる更年期障害をはじめ,いわゆる老化に伴う精神身体機能低下によりQOL(quality of life)は著しく低下する。西洋医学的には,これらに対してホルモン補充療法(hormone replacement therapy:HRT)や抗不安薬などの投与などが行われるが,効果が不十分であったり,副作用で内服できない場合もしばしば認められる。このような場合に漢方治療が有効であったり,併用による有効性向上を認める場合がある。本稿では,中高年女性に対する漢方療法について概説したい。
「KEY WORDS」漢方療法,更年期障害,不定愁訴,瘀血(おけつ)
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