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胸腺退縮とT細胞老化

アンチ・エイジング医学 Vol.13 No.3, 20-27, 2017

免疫系は,自己・非自己成分を識別し,細菌やウイルスなどの感染性微生物の感染防御とその排除に必須の生体システムである。一方,近年,さまざまな代謝性疾患,慢性炎症性疾患の発症や病態に,加齢に伴う免疫系の制御異常や変容が深く関与することが明らかになってきた。この場合の免疫異常は,生後早期に発症する原発性の免疫不全症や自己免疫疾患とは異なり,多くの場合において多因子性で,免疫システムが一度正常に形成された後,徐々にその制御が破綻へと向かうものである。このような免疫系の緩徐な加齢変化は,「獲得免疫応答能の低下」と「炎症性素因や自己免疫応答の増大」によって特徴づけられ,「免疫老化」(immunosenescence)と総称される1)。免疫システム全体が単純に機能低下をきたすのではなく,機能的変容の二面性,すなわち,正常な応答の低下と好ましくない応答の増大が同時進行することが,「免疫老化」現象の特徴である。
「KEY WORDS」胸腺,胸腺上皮幹細胞,胸腺退縮,免疫老化,老化関連T細胞

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抄録