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パラバイオーシスと老化研究

Parabiosis in aging science

アンチ・エイジング医学 Vol.12 No.5, 70-76, 2016

「はじめに」パラバイオーシス(parabiosis)では,手術的に接続された2匹の動物の間で循環系が共有される。19世紀に確立された実験法であり,主に内分泌系の生理学研究の発展に貢献したが,一時期廃れた手法でもあった。しかし,ここ10年間に,幹細胞研究,老化研究,再生研究においてインパクトのある新しい知見をもたらしており,リバイバルの兆しもある。本稿では,特に老化研究に焦点を当てて,パラバイオーシスの手法と成果について概観したい。
「パラバイオーシスとは」Parabiosisはギリシャ語のpara(隣,近い)とbios(生命)を語源とし,2匹の生きた動物が手術的に結合され,1つの循環系を共有するようになった状態を指す1)。しばしば結合双生児が自然に発生したパラバイオーシスと例えられる。パラバイオーシスの実験手技は,1860年代にフランスの生理学者ポール・ベール(Paul Bert)によって,ラットで確立された。その後,生理学の研究に広範に使われるようになり,パラバイオーシスを用いた論文報告は1960~80年にピークを迎えている(図1)。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録