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血圧の正常値はどこ? 血圧の新基準範囲は高血圧の予知・予防としての先制医療には必須

アンチ・エイジング医学 Vol.10 No.6, 97-101, 2014

「はじめに」血圧は私共が生命を営む上で,ことに生体の恒常性を維持するために極めて重要な役割を果たしている。したがって,血圧は生体の環境の変化に応じて随時的に神経・体液性に調節されており,刻々と変動を示す1)。このように変動する血圧についての基準値,本稿では,基準値は基準個体における測定値を意味することから「基準範囲」の用語で統一するが,この基準範囲をどのように定めるべきか,また定めるにあたってはどのように設定すべきかが問題となる。なお,正常値あるいは正常範囲という用語は現在使用されていない。一方,高血圧の診療においては,日本高血圧学会の高血圧治療ガイドライン2014により2),血圧値の分類(表1)ならびに高血圧診断の手順が示されているが(図1),これらの臨床判断値は,健康診断(以下,健診)の結果の判定に用いられる基準範囲とは異なる概念であり,両者は区別されるべきものである。表2に,基準範囲と臨床判断値の比較を示した。したがって本稿では,日本人間ドック学会の血圧についての新基準範囲について概説する。

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

抄録