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TREND IN ALLERGY アレルギーをめぐるトレンド

ILCの存在意義について語る

今井康友

皮膚アレルギーフロンティア Vol.19 No.1, 44-45, 2021

免疫には自然免疫と獲得免疫があります.さて,「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018」1)によると,アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)の病態として「表皮角化細胞(ケラチノサイト)由来のIL-33,IL-25,TSLPといった炎症性サイトカインは,2型自然リンパ球(group2 innate lymphoid cells;ILC2)を活性化して病態に関与する」とあります.ここで注目したいのは,ILCの活性化には抗原が必要ではないことです.獲得免疫の主役であるT細胞は,T細胞受容体(T cell receptor;TCR)を発現しており,抗原提示細胞から抗原刺激を受けることで活性化します.一方,自然免疫系の細胞であるILCは抗原の受容体をもっていません.抗原の代わりに,ILC2はIL-33,ILC3だとIL-23といった炎症性サイトカインで活性化されるのです2).まだ私が基礎の研究室にいた頃,実はIL-33で活性化される「リンパ球ではない新しい細胞」をずーっと探していたのですが,残念ながら発見できず,翌年,ILCが発見されて衝撃を受けました3)

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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