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特集 抗菌ペプチドとマイクロバイオーム

1 オーバービュー:抗菌ペプチドとマイクロバイオーム

森実真

皮膚アレルギーフロンティア Vol.18 No.3, 7-10, 2020

微生物の侵入から身体を守る皮膚のバリア機構においては,「抗菌ペプチド」が重要な役割を果たしている.抗菌ペプチドは広域の抗菌活性をもつのみならず,炎症誘導,創傷治癒促進,血管新生促進など,さまざまな機能を有していることも報告され,アラーミン(alarmin)の一種とも考えられている.一方,皮膚のバリア形成には,その場に存在する常在菌も重要な役割を果たしていることがわかってきた.常在菌叢を構成する個々の細菌種のゲノムの集合体を「マイクロバイオーム」と呼ぶ.近年のシークエンス技術の発展によって,正常皮膚および皮膚疾患病変部のマイクロバイオームに関しても,さまざまな新知見が得られている.
「KEY WORDS」抗菌ペプチド,アラーミン,LL-37,マイクロバイオーム,メタゲノム解析

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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