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特集 Th17をめぐる皮膚科の病気を語る

Column 抗Th17療法に対する逆説的な見方

塩原哲夫

皮膚アレルギーフロンティア Vol.17 No.2, 25-27, 2019

抗体医薬の進歩により,炎症性疾患の治療は大幅な変貌を遂げた.これらの疾患の発症にはさまざまなサイトカインの関与が考えられるが,そのサイトカインの流れの一部を阻害するだけで著明な臨床効果が得られることがわかり,これがこれらの治療の方向性をすっかり変えてしまった.雑誌や学会も,その治療効果を競うように次々と上市されるさまざまな抗体医薬に関する報告があふれ,多くの医師はその動きを追うだけに終始し,将来の治療がどのようになっていくかの展望さえつかなくなっているのが現状と思われる.筆者はこの抗体医薬の開発が続々と進められている状況において,あまり触れられてこなかった側面にも目を向けてみたいと思う.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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