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特集 薬疹はどこまでわかったか?

3 DIHSの早期診断

浅田秀夫

皮膚アレルギーフロンティア Vol.15 No.2, 15-18, 2017

薬剤性過敏症症候群(DIHS)は,限られた薬剤により遅発性に発症し,発熱,多臓器障害,ヒトヘルペスウイルス再活性化を伴う重症型薬疹のひとつである.本症では,初期の対応がその後の経過を左右するため,早期診断が必要不可欠である.しかし実際には,問診や臨床所見のみから,DIHSを早期に診断するのは困難なことが多い.近年,DIHSの発症初期に,Th2型ケモカインのTARCの血清中濃度が著明に上昇することが明らかとなった.一方,スティーヴンス・ジョンソン症候群,中毒性表皮壊死症,紅斑丘疹型薬疹では,軽度の上昇にとどまることから,TARCがDIHSの早期診断のバイオマーカーとして注目されている.
「KEY WORDS」薬剤性過敏症症候群(DIHS),HHV-6,バイオマーカー,TARC,ケモカイン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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