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特集 真菌とアレルギー

抗真菌薬の抗炎症作用~抗真菌作用だけではない?~

Anti-inflammatory effects of antimycotics : In addition to fungicidal effects?

神田奈緒子

皮膚アレルギーフロンティア Vol.14 No.1, 33-37, 2016

「Summary」抗真菌薬はアトピー性皮膚炎の皮疹を改善すると報告されている.抗真菌薬の作用の機序として,アトピー性皮膚炎のアレルゲンであるマラセチアを殺菌/静菌する以外に,患者の免疫担当細胞に対する抗炎症作用がある.アトピー性皮膚炎病変部表皮のケラチノサイトでは,胸腺間質性リンパ球新生因子(thymic stromal lymphopoietin;TSLP)の産生が亢進し,過剰なTh2反応を誘導している.アゾール系/非アゾール系抗真菌薬は,in vitroでケラチノサイトのトロンボキサンA2合成酵素(thromboxane A2 synthase)を抑制し,代償性にプロスタグランジンD2合成酵素(prostaglandin D2 synthase)の代謝産物15-デオキシ-Δ12,14-プロスタグランジンJ2(15-deoxy-Δ12,14-prostaglandin J2;15d-PGJ2)の産生を促し,産生された15d-PGJ2はTSLP産生を抑制する.抗真菌薬は上記の作用を介して,アトピー性皮膚炎患者の過剰に亢進したTh2反応を抑制すると考えられる.
「KEY WORDS」アトピー性皮膚炎,胸腺間質性リンパ球新生因子(thymic stromal lymphopoietin;TSLP),Th2,15-デオキシ-Δ12,14-プロスタグランジンJ2(15d-PGJ2),ケラチノサイト

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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