アレルギーをめぐるトレンド
IL-33による自然リンパ球活性化とアトピー性皮膚炎
IL-33 activates group 2 innate lymphoid cells and elicits atopic dermatitis
皮膚アレルギーフロンティア Vol.12 No.2, 48-49, 2014
IL-33は細胞の核に局在するIL-1ファミリーのサイトカインである. IL-33は刺激や細胞の破壊に応じて細胞外に遊離され, さまざまな細胞に作用して免疫反応を誘導する, 警報因子"alarmin"としての役割を担っている. アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の表皮では過剰なIL-33発現がみられるが, その病態的意義はこれまで不明であった. 筆者らは, ADにおける表皮IL-33の発現増多を再現するモデルマウスを作出し, 表現型の解析から, IL-33が, その標的細胞として同定された2型自然リンパ球の誘導・活性化を伴ってADに酷似する皮膚炎を誘発することを発見した. そして, 表皮のIL-33が2型自然リンパ球を活性化し, Th2サイトカイン産生を介してADを発症するという, ADの新しい発症メカニズムを提唱した.
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