<< 一覧に戻る

Orthopractice―私の治療法 RAの頸椎変形

総論

石黒直樹

Arthritis―運動器疾患と炎症― Vol.10 No.1, 10-11, 2012

 関節リウマチ(RA)の頸椎変形に由来する症状は大きく疼痛と神経症状に分類される.ともに,大きな問題である.疼痛症状に対しては一般的に相対的手術適応とされ,ADLに大きな影響をもたない限り手術の選択とはならない.逆に脊髄症状はその予後に与える影響から絶対的な手術適応と考えられる.本来はそのような重篤な頸椎変形をきたすことがないように治療すべきである.しかし,実際には時にそのような厳しい頸椎変形と症状を呈する症例に遭遇することを経験する.リウマチ医としては非常に大きな問題を突きつけられた瞬間である.多くのリウマチ関節外科医を知っているが,神経症状を伴う頸椎変形の手術をされる方はいないと思う.それどころか脊椎外科医にとっても非常に困難な治療対象である.RAに伴う頸椎変形は治療の困難性が故に専門性の高い領域となっている.この変形が起きないようにリウマチ治療を講じることが大切であるし,よしんば変形を生じたとしても軽症のうちから治療経過を十二分に観察し,必要な手段を遅滞なく行うことが必要である.

今回の企画は,頸椎変形に対する治療の解説を第一線の脊椎外科医にお願いした.薬物治療を行うすべてのリウマチ外科医は関節領域では外科的治療を駆使してリウマチ患者の全身的な治療に当たることを誇りとしている.ところが脊椎領域ではその誇りが容易に打ち砕かれ,脊椎外科医にお願いすることとなる.これはある意味,自身の得意とする診療領域での失敗を意味する.この矛盾を解決するために,リウマチ医は薬物治療の見直しによって頸椎変形すら悪化を防止できる可能性を追求すべき時代になったことを申し添えたい.

名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻
運動・形態外科学講座整形外科教授
石黒直樹 Ishiguro Naoki

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る