「Summary」レニンとその前駆物質であるプロレニンが結合する(プロ)レニン受容体((P)RR)は2002年に同定されて以来, レニン・アンジオテンシンシステム(RAS)の一端を担うコンポーネントとして, 高血圧や組織傷害に対して深く関与する事実を豊富に蓄積してきた. しかし, 最近の研究により(P)RRががんの形成および進展を促進するWnt/β-cateninシグナル経路に関連すると判明したことは, (P)RRがさまざまながん腫の進展に寄与することを示している. そこで, 本稿では複数のがん腫における(P)RR発現の実態のほかに, 難治がんの一種である膵臓がんに焦点を当てて, (P)RRががんの悪性化を加速するメカニズムを概説する. 「はじめに」2002年にフランスのグエン博士らのグループによって, レニンおよびその前駆物質であるプロレニンが結合する(プロ)レニン受容体((pro)renin receptor;(P)RR)が同定された1).
特集 レニン・アンジオテンシン・アルドステロン系研究の新展開
悪性腫瘍における(プロ)レニン受容体の役割
Role of (pro)renin receptor in cancer
掲載誌
Angiology Frontier
Vol.13 No.1 31-35,
2014
著者名
柴山 弓季
/
西山 成
記事体裁
抄録
疾患領域
消化器
/
癌
診療科目
消化器内科
/
腫瘍内科
/
消化器外科
/
一般外科
媒体
Angiology Frontier
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