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目でみる血管障害

脈波検査の読み方

山科章

Angiology Frontier Vol.13 No.1, 1-6, 2014

「はじめに」末梢動脈の診察は特別な機器を必要とせず, 診断の第一歩となる多くの情報が得られることが多い. にもかかわらず, 最近の臨床現場ではあまり行われていない. 動脈触診によって体血流の評価や閉塞性動脈病変, 大動脈弁疾患の診断や重症度の判断などが可能であり, 重要な臨床技能の1つである. たとえば, 小さくて弱い脈(小脈)は左室1回心拍出量の低下, 循環血液量減少, 左心不全, 心タンポナーデなどを示唆し, 対照的に大きくはずむ大脈(反跳脈)は1回心拍出量の増加, 末梢血管抵抗の低下や種々の原因による脈圧増大を示唆する. 1回心拍出量が増加し, 拡張期に左室に血液が逆流する大動脈弁閉鎖不全では特徴的な大脈/速脈となる. 遅脈(収縮のピークの遅れ)は, 大動脈弁狭窄や高度の動脈狭窄でみられる. したがって, 診断の第一歩としての脈の診察を決して怠ってはならない. 脈を波形として表現するのが脈波検査であり, 最近では血圧脈波検査装置が普及しており, 簡便に検査ができる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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