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目でみる血管障害

血管炎の画像診断<Ⅰ>

加藤陽子磯部光章

Angiology Frontier Vol.11 No.4, 1-4, 2012

「はじめに」血管炎症候群は, 罹患血管のサイズから大型血管炎, 中型血管炎, 小型血管炎に分類される1). 循環器医が診療することが多い血管炎として, 大型血管炎の高安動脈炎と中型血管炎の川崎病が挙げられる. 本稿では, 高安動脈炎の画像診断について取り上げる. 「1 高安動脈炎とは」高安動脈炎とは, 大動脈およびその主要分枝や肺動脈, 冠動脈に閉塞または拡張性病変をきたす原因不明の大型血管炎である. 1:9の割合で女性に多く発症し, 好発年齢は15~35歳程度とされる. わが国の患者数は, 約5000例とされる2). 初発症状は原因不明の発熱, 頸部痛, 全身倦怠感など非特異的だが, その後血管病変の症状としての血圧や脈の左右差, 血管雑音, 頭部乏血症状を呈し, 腎動脈や冠動脈の狭窄をきたすこともある. 治療にはステロイドや免疫抑制薬を使用するが, 早期の診断・治療開始が予後改善に重要である.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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