<< 一覧に戻る

レニン-アンジオテンシン系阻害薬の新しい話題

抗アルドステロン薬

Mineralocorticoid receptor blocker

北田研人中野大介西山成

Angiology Frontier Vol.10 No.1, 31-38, 2011

Summary
 近年の精力的な研究により,アルドステロン/ミネラロコルチコイド受容体(MR)系は,高血圧や糖尿病,メタボリックシンドロームなどに伴う臓器障害の重要なメディエーターであることが明らかにされてきた。さらに最近では,アルドステロン非依存的なMR活性化機構,ステロイド骨格をもたない新しいクラスのMR拮抗薬,マクロファージなど骨髄性細胞のMRと臓器障害など,アルドステロン/MR系に関する新しいトピックスも続々と見出されている。しかしながら,アルドステロンの作用やMR拮抗薬の薬理学的作用機序などについては,いまだ未解明の部分が多い。MR拮抗薬をより効果的に用いるためには,MR活性化メカニズムの解明やMR活性化の診断法の開発とともに,積極的な臨床研究が望まれている。

Key words
●アルドステロン ●ミネラロコルチコイド受容体 ●アルドステロン非依存性ミネラロコルチコイド受容体活性化 ●マクロファージ ●腎細胞老化

はじめに

 最近の精力的な研究により,アルドステロン/ミネラロコルチコイド受容体(mineralocorticoid receptor;MR)系が脳,心臓,血管,腎臓などの臓器に対して直接的な障害作用を有していることが明らかにされてきており,降圧を超えた臓器保護薬としてのMR拮抗薬の有効性が注目されている。さらに,MRはアルドステロン以外のさまざまな因子によっても活性化され臓器障害を引き起こすことが見出されており,血中アルドステロン値が低値を示す病態においてもMR拮抗薬が有効である可能性が報告されている。スピロノラクトンよりMRに選択性が高いエプレレノンが開発され,さらに最近ではステロイド骨格をもたない新しいクラスのMR拮抗薬の開発にも注目が集まっており,アルドステロン/MR系に関する研究は新たな展開を迎えている。
 本稿では,MR拮抗薬の降圧作用および臓器保護作用について,最近の知見を含めて概説する。

1 アルドステロン/MR系と高血圧

 アルドステロン/MR系の活性化は,高血圧の発症・進展に密接に関与している。アルドステロンは,腎臓の遠位尿細管細胞のMRを介してナトリウム・体液貯留作用を示すことから,MR拮抗薬がこれらの機序を抑制することで降圧作用を示すことは容易に想像できる。しかしながら,図1に示すようにアルドステロンは体液貯留作用のみならず,さまざまな経路を介して高血圧を発症させることが明らかになってきている。

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る