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検尿ノススメ

第52回 ヘモジデリン顆粒

横山貴水越雅子

Nephrology Frontier Vol.14 No.1, 60-65, 2015

「はじめに」尿中に排出される顆粒状を呈する成分には,細胞の崩壊物から塩類・結晶類まで様々であり,その1つにヘモジデリン顆粒がある.尿中に排出されるヘモジデリン顆粒は,糸球体を通過した遊離ヘモグロビンに由来し,尿細管上皮細胞内に取り込まれて生成されたヘモグロビンの崩壊産物である.遊離ヘモグロビンは,持続的な血管内溶血があると血漿中を循環する.したがって,ヘモジデリン顆粒は,血管内溶血が持続していることを示唆する重要な成分であることが考えられる.本稿では,ヘモジデリン顆粒の生成機序,形態学的および染色性の特徴,類似成分との鑑別や疾患との関係から,臨床的意義について述べる.
「対象および方法」2014年1月から12月までに検査室に提出された随時尿で,ヘモジデリン顆粒が認められた28例〔人工心臓弁置換術後:20例,発作性夜間血色素尿症(paroxysmal nocturnal hemoglobinuria:PNH):2例,てんかん,不完全型房室中隔欠損症,心不全,僧房弁狭窄症,骨髄異形性症候群,溶血性貧血:各1例〕を対象とした.ヘモジデリン顆粒の観察は,尿沈渣検査法2010に準拠し,無染色およびSternheimer染色(以下,S染色)で行った1).

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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