間葉系幹細胞(MSC)を用いた再生医療等製品の創出が期待されているなか,そのソースとして,骨髄,脂肪等に加えて,近年,臍帯,臍帯血,胎盤,絨毛膜,羊膜,羊水などの周産期付属物が注目されている。その理由としては,MSCが豊富に存在していることのほか,採取においてドナーへの侵襲がないことや通常廃棄処分されるものであることが挙げられる。しかし他方で,いわゆる「胞衣条例」を有している自治体もあり,そこにおいては周産期付属物の研究利用や産業利用が条例に抵触しないか留意しなければならない。そこで胞衣条例のある都道府県を洗い出し,各条例の規制内容を精査した上で,周産期付属物の研究利用や産業利用は可能か各自治体担当部署へのインタビュー調査などを行った。本稿ではその結果をもとに,再生医療における周産期付属物の研究利用や産業利用の留意点を提示する。
「KEY WORDS」周産期付属物,胞衣条例,再生医療等製品,開発研究,産業利用
「KEY WORDS」周産期付属物,胞衣条例,再生医療等製品,開発研究,産業利用