1903年創業のダイダン株式会社は,建築設備業として空調・衛生・電気設備の設計や施工を通し,安全で快適な環境を提供してきた。また現在の取り組みでは,サステナブル社会を構築する上で重要な建物のZEB(Net Zero Energy Building)化や,IoTを活用した照明・空調の最適化など,次世代の建物に求められる新たな価値の創造を目指している。一例として,図1Aは当社九州支社(福岡)としての事務所機能を有したスマートエネルギー実証施設「エネフィス九州」,図1Bは完全ZEBを実現した当社四国支店(香川)の「エネフィス四国」を示す(図1)。当社はオフィスで働く人が健全で活力ある知的生産活動を行うための様々な技術を集約し,快適かつ省エネルギー性の高い建物の構築に努めている。さらに,これまで病院や製薬工場の施工で培ってきた空調技術を基に,建設・運用管理費を低減させた再生医療分野向け細胞培養加工施設(cell processing facility;CPF)の開発についても取り組んでいる。以降,当社の再生医療分野への取り組みについて紹介する。