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2018年度日本再生医療学会学会賞

【臨床部門】iPS細胞を用いたパーキンソン病治療

高橋淳

再生医療 Vol.17 No.4, 83-89, 2018

ヒトiPS細胞が報告されてから10年が過ぎ,2014年の加齢黄斑変性に続き,2018年は重症虚血性心筋症,パーキンソン病,再生不良性貧血に対する臨床応用の開始が発表され,再生医療の実用化がいよいよ本格化してきた。我々はiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の医師主導治験を開始する。
パーキンソン病は中脳黒質から線条体に投射するドパミン神経細胞が進行性に脱落する神経変性疾患で,主に振戦,筋強剛,無動などの運動機能障害を呈する。1987年に胎児の黒質細胞移植が行われて以来,約400例の移植が行われその有効性が証明されており,近年では約20年にわたって症状改善や細胞生着がみられた症例も報告されている1)2)。しかし,胎児組織を使用するという倫理的な問題や症状改善に必要な十分量の胎児脳組織を得るのが困難,ドパミン神経細胞以外にセロトニン神経細胞などの混入が多い,などの問題があり,細胞移植の有効性は示せたものの標準治療として普及するには至っていない。そこで胚性幹細胞(embryonic stem cells;ES細胞)や人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells;iPS細胞)などの幹細胞を用いた治療に期待が寄せられている。
「KEY WORDS」パーキンソン病,iPS細胞,ドパミン神経細胞,細胞移植,トラスレーショナルリサーチ

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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