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患者まで届いている再生医療

水疱性角膜症に対する培養ヒト角膜内皮細胞を用いた角膜内皮再生医療

上野盛夫

再生医療 Vol.16 No.2, 39-43, 2017

角膜内皮は角膜の裏面を被覆する単層の細胞層で,ポンプ機能とバリア機能を有することによって角膜実質の含水率を一定に保ち,角膜の透明性を維持している。健常人の角膜内皮細胞は六角形を主とする多角形細胞で,2,000~3,000個/㎟の密度を保っている。ヒトやサルなどの霊長類の角膜内皮細胞の生体内での増殖能は乏しく,フックス角膜内皮ジストロフィなどの疾病・白内障手術や緑内障手術などの内眼手術・外傷などによって角膜内皮が障害されると,角膜内皮細胞密度が低下する。角膜内皮細胞密度が500個/㎟未満になると角膜内皮機能不全に陥りはじめ角膜は不透明化する。そのような状態は水疱性角膜症と呼ばれ,重症の視力障害の原因となっている1)。水疱性角膜症に対する唯一の治療法は,ドナー角膜を用いた角膜移植であり,かつては全層角膜移植術が主流であったが,最近ではDSAEK(Descemet-stripping automated endothelial keratoplasty)などの角膜内皮移植術が広く行われるようになっている。
「KEY WORDS」水疱性角膜症,培養ヒト角膜内皮細胞,再生医療,臨床研究,医師主導治験

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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