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Review(再生医療)

オートファジーの分子機構とその破綻

川端剛吉森保

再生医療 Vol.16 No.1, 6-21, 2017

生命現象を支える主役がタンパク質であり,遺伝子発現とタンパク質生合成が生命の謎を解き明かす鍵を握っている。それが前世紀より続く生物学の主流であった。しかし,華々しいタンパク質合成というステージの裏方では常に対となる現象,つまりタンパク質分解が立ち働いている。私たちの体は常に分解と合成を同時に行う動的平衡状態にある。これを実現するために,タンパク質分解は単純な崩壊とは言い難いプログラムされた,状況に応じた精緻な制御を受けている。ユビキチンで標識されたターゲットを1 分子ずつ分解するユビキチン-プロテアソーム系の発見は,細胞周期の進行を初めとする様々な生命現象がタンパク質の合成と分解の間で非常に動的に制御されるという,現在のパラダイムの樹立に不可欠であった。2004年のユビキチンの発見に対するノーベル賞から12年の時を経て,2016年には細胞内大規模分解システムであるオートファジーが受賞対象となった。
「KEY WORDS」ATG 遺伝子,大規模分解システム,選択的オートファジー,恒常性の維持,生体防御機構

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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