公衆衛生
COVID-19の公衆衛生
インフルエンザ Vol.24 No.1, 15-21, 2023
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)は公衆衛生に未曽有の大きな影響を与えた.筆者らが得たエビデンスでは,発症前や無症状の症例からの伝播,変異株の出現による感染力の増大がみられ,飛沫感染に加えてエアロゾル感染が大きな役割を果たした.
公衆衛生対策としては,検査不足による診断の遅れ,感染者への入院措置または宿泊・自宅療養,濃厚接触者の調査と潜伏期間に応じた自宅待機,アウトブレイク対応,感染予防と社会経済活動維持のバランスなどが課題となった.特に,保健所は業務の負担が過大となり,職員の長時間勤務や退職が問題となったため,自治体の内外からの人員支援と,業務のアウトソーシングが進んだ.
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