診断
RSウイルス感染症の診断と最近の流行
インフルエンザ Vol.22 No.4, 19-23, 2021
RSウイルスは乳幼児の代表的な呼吸器感染症の原因ウイルスのひとつである.2歳までにほぼ100%の児が罹患するといわれていて,一定の割合で細気管支炎や肺炎といった下気道炎を呈する.また,高齢者でも重症化例や施設内流行が問題になることがある.診断方法としては,迅速抗原検査が広く用いられている.以前は秋から冬にかけての流行が中心であったが,次第に流行開始時期が早まっている.2020年には1年を通して明らかな流行は認めなかったものの,2021年には6月から7月にかけて例年より大きな流行を認めた.RSウイルスに対する特異的な治療やワクチンはまだ実用化されておらず,今後の開発が望まれる.
「KEY WORDS」RSウイルス,検査,流行,予防
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。